政治家が一線を引いたあとは大方が自伝や回顧録を出す。しかしそのほとんどは自身の施策の正当化だから鵜呑みにはしないし出来ない。まさにその典型、一時は「世界一の宰相」とか「ドイツ繁栄の母」とか謳われたアンゲラ メルケルの回顧録は自己満足伝などと酷評されている。
結局、メルケルのロシア融和策はウクライナへの全面侵攻につながったうえに現在のドイツエネルギー価格の高騰を招いた。また中国寄り政策でひとり金儲けに走った結果、中国の拡張主義を進めたばかりか国内産業の弱体化が早まり、EUさえも冷たい視線を浴びせる。何にしてもメルケル16年の罪は国内経済の低迷だけでなく不安定な政治体制を招き世界の信用を貶めたことだ。
ひところ「日本はドイツに学べ」が政財界の合い言葉だったが、いまや「ドイツの失敗に学べ」に変わった。
5月 22
2025
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